関係性が変化する可能性も

例えば「またお義母さんに『少しは仕事を手伝いに来なさい』と言われちゃった。ものすごく不快なんだけど、どう思う?」「それじゃあ、1週間に1回でも時間をつくって、手土産でも持って顔を出したら? 他の従業員を味方につけることができるかもしれないし」といった具合です。

先ほどお話しした通り、四摂法を実践しても、どうしても追い詰められてつらくなるようなら、心の中で縁を切って離れていけばいい。でも、四摂法によって、ギスギスした関係性が変化するなら、それに越したことはないじゃないですか。Bさんの場合も、もう一人の自分と対話しながら四摂法を行うことで、自分の心の中が怒りやイライラでいっぱいになることが減り、お姑さんとの関係も改善の方向に進んでいるそうです。「コロナの状況が落ち着いたら、(夫の実家の会社で)しばらくやめていた歓送迎会をやるんですが、私も参加することになっています」と話してくれました。

今月のひとこと
今月のひとこと

人や物は、悪い面を見ようと思えばとことん悪く見えます。ですから、お姑さんのかわいいところを探すんです。それは、髪の毛がくるんと巻いているところかもしれないし、ちょっとドジなところかもしれない。夫に、母親との思い出を聞いてみるのもいいと思います。お姑さんの、知らなかった一面が見えてきて、「もしかしたら、あんな言い方をしていたのは、お義母さんにこんな面があるからなのかもしれない」といった理解につながるかもしれない。家族関係って、そういう些細なことがきっかけで、よい方向に向かうこともありますから。

四摂法は、家族、友人、仕事など、あらゆる人との関わりの基本といえます。相手を変えるのは本当に難しいものですが、自分の行動なら変えられます。四摂法を実践することで、相手との関係がよいものに変わればよいですが、それでも変わることがなく、つらい思いが続いて自分の心身が健康に保てないのであれば、それは「ご縁がなかった」と考えてもよいと思います。

(構成=山脇麻生)
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