営業で成果を残す人は、上手に課題の引き出す
顧客が抱える「課題」と、自社で提供する商品・サービスの「価値」を分かりやすくつなげること。これまでの「ソリューション営業」では、これが重要でした。「ソリューション営業」を進化させるには、まずは営業担当者が事前にヒアリングシートを用意し、質問を重ねながら、顧客の「課題」を引き出していく必要があります。
それも単に「御社の課題は何ですか?」と抽象的な質問をするのではなく、「御社の経費精算の業務効率で課題はありますか?」などと具体的な「課題」を聞き、徐々に抽象的な「課題」へ広げていく方が、顧客は答えやすくなります。
顧客の「課題」を引き出し、整理した後は、その中でどの「課題」を解決すべきなのかを顧客と合意していきましょう。
課題整理シートを用意し、「具体的にどんな課題があるのか?」などを記入して顧客に提示するといいでしょう。「ソリューション営業」では、提案書を作成して顧客に提示することも多いです。
この提案書の冒頭に課題整理シートを加え、この説明をしてから商品・サービスの紹介へと移っていく。そうすれば、顧客の「課題」と商品・サービスの「価値」がつながり、顧客もより理解しやすくなります。
課題解決の提案だけでは不十分
STEP③「理想」や「課題」を提案して「ストーリー営業」を実現する
「ソリューション営業」を進化させるだけでは、顧客に的確な提案をすることが難しいこともあります。なぜなら、顧客自身が自社や自分の「課題」の把握ができていなかったり、「理想」を思い描けていないことも多いからです。
その場合、営業担当者から、顧客の「理想」や「課題」を提案する必要があります。顧客が気付いていない潜在的なニーズを営業担当者が見つけ出して、伝えるわけです。
顧客が気付いていない「理想」や「課題」を見つけ出して、それと自社の商品・サービスが提供する「価値」を関連させて伝えること。これが、新しい時代の「ストーリー営業」です。
「ストーリー営業」で最初にすべきことは、顧客が抱くであろう「理想」や「課題」を、商談の冒頭で営業担当者が伝えられるようにしておくことです。商品紹介の資料があるなら、その冒頭に「顧客が目指すべき状態(理想)」と「顧客が抱えがちな問題(課題)」を記載しておくといいでしょう。
「理想→課題→価値→方法」という仮説を事前につくり、それを顧客に投げ掛けて、顧客と一緒に物語を紡ぎ上げていくのが、「ストーリー営業」です。