営業で成果を残す人が、売った後に必ずすること

もし自社の商品・サービスの資料に「価値」が記載されていないなら、営業担当者が自分でその「価値」をしっかりと言語化する必要があります。

「価値」とは言い換えれば、「顧客から選ばれる理由」ということ。既に売ったことのある商品やサービスなら、顧客が他社の商品・サービスではなく、自社の商品・サービスを選んでくれた理由を振り返ることで「価値」が明確になります。

営業で成果を残す人は、売った後に、顧客に「なぜ買ってくれたのか」を確認しています。そうすることで、自社の商品・サービスの機能や性能の先にある「価値」が適切に把握できるからです。

「価値」は何なのか。その答えは、顧客の心の中にしかありません。その商品やサービスを初めて売るのなら、ほかの営業担当者にヒアリングをして、どういった点が顧客から喜ばれているのかを知っておくといいでしょう。分かりやすい言葉で「商品・サービスが顧客から選ばれる理由」(つまり「価値」)を語れるようになりましょう。

オフィスで電話を受ける、自信に満ちたスーツ姿のアジア人ビジネスマン
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「御社の課題は何ですか?」と尋ねたら負け

STEP②「課題」を整理して「ソリューション営業」を進化させる

「ソリューション営業」を進化させるには、「プロダクト営業」の場合のように、単に会社が用意している商品紹介資料を深く読み込むだけでは不十分です。顧客が抱える「課題」と、商品・サービスの「価値」を紐付ける必要があるからです。

例えば食品メーカーで、「食べ応えがあるがダイエットにも効果的」という「価値」のある新商品を大手小売店に提案する場合は、次のような形で顧客の「課題」と商品の「価値」を紐付ける必要があります。

「御社の顧客ターゲットである主婦層が求めている健康志向でダイエットにも効果のある食品が、売り場にあまり並んでいません」

このように「課題」を明確にした上で、だからこそ「食べ応えがあるが、ダイエットにも効果的」である新商品を並べることに意味があると伝えるのです。

生命保険会社で「家族が安心して暮らせる」という「価値」を訴求するなら、「保険をかけていないことで家族が悲惨な目に遭ってしまう懸念がある」という「課題」を伝えた上で、「安心して暮らせる」という商品の「価値」を伝える必要があります。

IT企業がITシステムの「社内の業務を効率化できる」という「価値」を提示するなら、「ある業務でこのくらいのムダがある」という現状の「課題」を把握してもらい、その上で、「課題」を解決する方法として自社のシステムを伝えていくといいでしょう。