韓国も反日に明け暮れているヒマはない

実は韓国にとっても台湾侵攻は深刻な事態を招きます。台湾侵攻の間隙を突いて北朝鮮が“ソウルを火の海”にしないとも限らないのです。地政学的には海がない分だけ日本以上に危険なのに、不思議なのは韓国でそのことが真剣に議論されている様子がないことです。

新しい大統領になりましたが、これまでの歴代政権のように反日に明け暮れているヒマはありません。一刻も早く両国は関係改善をはかり、台湾との連携もはかるべきです。

中国、ロシア、北朝鮮の3国が連携して、台湾侵攻、北海道侵攻、韓国侵攻が行われたら日本も韓国も、もうお手上げです。米軍とて手の施しようがなくなります。

「悪の枢軸」は台湾、北海道、韓国の同時侵攻も可能

【石平】確かにそうですね、北朝鮮のミサイル実験に日本人は不感症になっていますが、2006年を最初にこれまで累計6度の核実験を行い、2017年には核武力の完成を公言してはばからない国です。日本はいつ核を落とされてもおかしくないほどの脅威にさらされています。

石平、ロバート・D・エルドリッヂ『これはもう第三次世界大戦どうする日本』(ワニブックス)
石平、ロバート・D・エルドリッヂ『これはもう第三次世界大戦どうする日本』(ワニブックス)

中・ロ・北とまさに「悪の枢軸」の復活です。

これは絵空事でも何でもなく、現に70年前の朝鮮戦争で起きたことの再来です。あの戦争では中国とロシアが北朝鮮の金日成<キムイルソン>の後ろ盾になって韓国を侵略し、当時の国連軍や米軍を苦しめました。今の悪の枢軸の力をもってすれば、台湾、北海道、韓国への同時侵攻も十分可能です。そうなったら日米同盟では対応できない。ましてや軍事同盟でもない日米豪印4カ国の「クワッド」では対応できない。

日本は対岸の火事どころか、世界で最も危険地域の最前線に立たされていることになる。まさに悪夢です。尖閣諸島や沖縄を守るというようなレベルではなく、日本全体の安全保障は戦後最大の危機にさらされるのです。

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