タンパク質は何からとるか?

タンパク質をとるときの基本は、「肉、卵から」が基本です。加えて、タンパク質不足を補う段階では、ほぼ必須なのが「ホエイプロテイン」です。

プロテインと聞くと、ムキムキのスポーツマンが飲んでいるイメージがまだまだ強いのですが、私はタンパク質不足が顕著な人、特に糖尿病の方の食事療法の一環としておすすめしています。

「ホエイ」は日本語では「乳清」といいます。ヨーグルトの上によく溜まっている、あの透明な液体が、ホエイです。それを粉末に加工したものが、ホエイプロテインの製品です。なお、英語では「whey」と書き、発音では「H」を発音せずに「ウェイ」または「ウエイ」と呼ばれます。「ホエイ」は、あくまで日本語読み、ということになります。

肉は、牛肉、豚肉、鶏肉、どれでもかまいません。好きなものを選んでください。調理方法も、糖質やトランス脂肪酸を添加しない方法であれば、好みでかまいません。糖質とトランス脂肪酸を添加する調理法とは、たとえば、パン粉をたっぷりつけて、サラダ油で揚げるなどといったものがそうです。トランス脂肪酸は「食べるプラスチック」といわれるほど健康被害リスクが高いので、できる限り避けることをおすすめします。

キッチンに置いてある選りすぐりのタンパク源
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「肉食は身体に悪い」に対する答え

「肉ばかり食べていては栄養が偏るのでは?」という質問をよく受けます。「肉は太る」「肉は身体に悪い」「肉ばかり食べているとがんになる」というイメージを持つ人は多く、わざわざ肉を控えている方も少なくありません。健康志向の高い人ほど、そうした傾向が強くあります。

逆に、「バランスよく」や「栄養の偏り」という考え方の方が、偏っていると私は考えています。それについては、旧来のカロリー理論がいかに間違った古い考え方か、すでに述べてきた通りです。

「バランスのよい食事」とは、本来であれば、私たちの身体が求める栄養素に対して「バランス」をとるべきです。しかし、一般に広まっている「バランスのよい食事」は、私たちの身体の求める栄養を無視しています。身体を構成する要素の多くをタンパク質が占めているのは、前述した通りです。それに対して「炭水化物を6割とりなさい」というのは、明らかにバランスを欠いています。大切なのは、「私たちの身体の求める栄養をとる」ことです。