卵は完全栄養食

私に言わせれば、卵こそ「バランスのよい」食品です。実際、「完全栄養食」といわれるほど、栄養が充実しています。ところが、この卵も「週に○個までにしないといけない」といった間違ったイメージを今も持ち続けている人が少なくありません。

これはコレステロールの冤罪が関係しています。一時期、卵に豊富に含まれるコレステロールが血管に悪いという間違った情報が広まっていたからです。

しかし、2013年に米国心臓病学会が「コレステロールの摂取制限を設けない」としました。その2年後、2015年には、米農務省と保健福祉省も、コレステロールの摂取制限をガイドラインから削除しました。日本でも厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、コレステロールの摂取基準が撤廃されました。そのいずれの理由も「コレステロール摂取の上限値を算定するのに、十分な科学的根拠が得られなかった」ためです。

毎日、2個でも、3個でも、10個でも食べて大丈夫、ということです。むしろ、卵をたくさん食べると、不健康になるどころかタンパク質不足が解消され、健康になります。

卵でコレステロールが上がる2つの条件

ところが、いまだに「卵は控えてください」と患者さんに指導している、化石のような医師が多くいます。これには理由があり、その医師たちは自分の患者さんたちで、卵を食べた後にLDLコレステロール値が上がったためでしょう。確かに、実際に、卵を食べるとLDLコレステロール値が上がる人がいます。それは、次の2つの条件が当てはまる人です。

・糖質まみれの食事
・今までコレステロールを含む食べ物をとる機会が少なかった

糖質の多い食事をしてきた人の身体は、インスリンの酸化ダメージでボロボロになっています。その状態で卵を食べると、身体は「やっと身体を治す材料が来た!」と、せっせとLDLコレステロールを作ります。そのため、LDLコレステロール値が上がるのです。つまり、むしろ至極、健康的な反応といえます。逆にいえば、卵を控え続けると身体はいつまで経っても修復されません。

確かに、すでに血管が詰まりかけている状態にあると、増えたLDLコレステロールによって血管が詰まるケースはあります。私も、そういった症例を何例も診たことがあります。血管が詰まる根本原因は糖質です。この場合には、その糖質を控えつつ、時に血液をサラサラにする薬も併用した対応が必要です。