理想のカラダづくりには、どんな食事をとればいいのか。高タンパク・低カロリー食レストラン「筋肉食堂」を運営する谷川俊平さんは「ダイエットや筋トレで、糖質はとらないというのは間違いだ。筋肉をつけリバウンドなく痩せたいなら、糖質を摂取し『筋グリコーゲン』を満タンにしておく必要がある」という――。

※本稿は、谷川俊平『食べる筋トレ。』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

なっとう(発酵大豆)
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体づくりで“糖質をとらない”は大間違いである

私は毎朝、トレーニング前に意識して糖質をとっている。

この話をすると、「糖質は、とらないほうがいいのでは?」「筋肉の材料はタンパク質だから、それさえ食べていれば筋肉はつくのでは?」などと聞かれる。

しかし、その考え方はあまりにも短絡的。

谷川俊平『食べる筋トレ。』(かんき出版)
谷川俊平『食べる筋トレ。』(かんき出版)

もちろん糖質はとりすぎると脂肪に変わる。だが実は、糖質は筋肉をつくるのに欠かせない栄養素なのだ。

摂取した糖質は、筋肉にある「筋グリコーゲン」という貯蔵庫に蓄えられる。この貯蔵庫が空になっていると、力が出ず、トレーニングをこなせない。だから私は筋トレ前に糖質を多めにとり、貯蔵庫を満タンにしておく。

そしてトレーニングが終わると、さらに糖質をとり、血流が緩やかになったころに肉を食べると、壊れた筋肉を修復すべく、タンパク質がすみやかに運ばれるのだ。

筋トレの前後に糖質によってエネルギー補給することが、カギになるのだ。

糖質は車を動かすガソリンにあたる。糖質をとらずに筋トレすることはできないと心得よう。

また、糖質は脂肪を落とすためにも必要だ。そもそも減量、つまり痩せるとはどういう現象なのかを科学的に説明しておこう。

まず、脂肪細胞が代謝によって分解されて、脂肪から脂肪酸が出てくる。それが筋肉のミトコンドリアに運ばれ、二酸化炭素と水になって体外に排出される。これが「脂肪が燃える」ということだ。

したがって痩せるためにはまず脂肪細胞が代謝によって分解されないといけないのだが、食事で十分な糖質をとっていないと脂肪より先に筋肉が分解されてしまう。

だから、矛盾しているようだが、減量しているときは糖質を控える必要があるけれど、完全に切らしてもいけないのだ。

タンパク質2:糖質1の割合でとるといいだろう。

なお、いちばんいいのは、玄米、サツマイモ、大麦、ライ麦など水溶性の食物繊維を含んだ糖質だ。食物繊維には血糖値の急上昇を抑え中性脂肪をつきにくくする働きがあるので、積極的にとっておきたい。