トレーニング直後に糖質をプラスすると、効率が上がる

トレーニング後にプロテインを飲んでいる人も多いだろう。

これまでボディビルダーやトレーニー(筋トレを行う人)たちのあいだでは、「トレーニングをしてから30分以内にプロテインを飲むと、筋肉が最も大きくなる」と言われていた。

この時間帯は、「ゴールデンタイム」と呼ばれ、トレーニング直後のプロテイン摂取が推奨されてきた。

私は、トレーニング後のタンパク質摂取については、トレーニング直後ではなく、体内の血流が平常に戻る1時間後くらいを目安に摂取することをおすすめする。

それに加えて、トレーニング直後には糖質もとったほうがいい。

なぜ、糖質が必要なのかというと、トレーニング後にタンパク質と糖質をとることで、筋肉の成長が促進されるからだ。

糖質をとると、インスリンが分泌され、急激に上がった血糖値を下げ、糖質を脂肪細胞に蓄えるわけだが、トレーニング直後は事情が変わり、糖質を脂肪細胞ではなく、筋肉に蓄えようとするのだ。

トレーニング直後の筋肉は、糖質が欠乏した状態になっている。そのため、脂肪細胞よりも筋肉のほうが糖質に対して敏感になっており、摂取した糖をグリコーゲンとして貯蔵すべく、このようなことが起こるのだ。

トレーナーの助けを借りてバーベルスクワットをしているアジアの女性
写真=iStock.com/kazuma seki
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朝よりも夜のほうがインスリンを多く分泌する

さらに、その過程で一緒にとったタンパク質も筋肉に入っていく。

もちろん、トレーニング後であっても、糖質をなんの制限もなく食べられるだけ食べてしまうと、脂肪として蓄えられてしまう。

糖質を含むスポーツドリンク300ミリリットル程度(種類によって変わる)、バナナ1本、おにぎり2個……、といったイメージを持っておくといいだろう。

トレーニング直後に、これらの糖質を摂取。シャワーを浴び、帰宅してからプロテインや肉などのタンパク質をとるというルーティンを決めるといいのではないだろうか。

また、朝と夜とでは、インスリンの分泌量が変わってくる。朝よりも夜のほうが多く分泌されるのだ。

したがって、朝トレーニングする人は、少し多めに糖質をとり、夜トレーニングしてから食事をする人は、少なめにとるとよりいいだろう。

さらに、「筋トレの前後にエネルギーを補給する」と先述したように、最近はトレーニング後だけでなく、トレーニング前のタンパク質摂取も重要だと言われている。

タンパク質を摂取せずに、トレーニングを始めると、必要なエネルギーを取り出すために筋肉が分解されてしまう。それを防ぐには、血中のアミノ酸濃度を高める必要がある。

筋トレの前にプロテインを飲んでおくことで、血中のアミノ酸濃度が高まり、筋肉が分解されるのを防ぐことができるのだ。

ちなみに、血中のアミノ酸濃度は、プロテインを摂取してから、1~1.5時間後に最大になる。そのため、筋トレの1時間前にプロテインを飲むことがおすすめだ。