お金持ちは古い物件でも躊躇しない

経験値が高いことは不動産購入において大きな強みです。お金持ちは古い物件でも躊躇しません。購入後にリノベーションを実施すれば見違えるようになることを知っているからです。

あるいは、一般の人の場合、住宅ローン破綻で任意売却されるような訳あり物件に抵抗感がある人が多いでしょう。縁起が悪いと考えてしまうからです。お金持ちはそんなことは気にしません。物件の価値と価格が見合っていれば、検討の対象となります。

実際にお金持ちが物件の価値をどう判断しているのか、一例を紹介しましょう。お金持ちには、大きく分けて節約家タイプ、投資家タイプ、高収入タイプの3つのタイプがあることは何度か紹介しました。

このうち投資家タイプには、賃貸派が多くいます。消費よりも投資を優先したいと考えているので、マイホームに夢や幻想を抱いていないのです。仮にマイホームを購入する場合でも、投資対象と考えて買うか買わないかを判断しています。

物件の価格が妥当かどうか判断できる収益還元法

不動産の価値を判断する方法にはいくつかありますが、投資家タイプのお金持ちでは収益還元法と呼ばれる手法で考える人に多く出会います。この基準は一般の人がマイホームを購入で失敗しないためにも役立ちます。

具体的にいうとこれは、対象の不動産を賃貸に出した場合にどれくらいの家賃が得られるかを判断し、物件価格との兼ね合いから利回りを計算する方法です。これを計算式にすると次のようになります。

<不動産の利回りの計算方法>
利回り(%)=月額家賃×12カ月÷物件価格×100

たとえば、5000万円のマイホームを検討するとしましょう。この物件を仮に賃貸に出した場合、月額20万円の家賃が得られるとすると、

利回り(%)=20万円×12カ月÷5000万円×100=4.8%

投資家タイプのお金持ちはこの利回りで物件が割安かどうかを判断するのです。居住用の物件であれば、利回りは一般的に3~5%になるのが相場です。投資家タイプは一般的な利回りでは魅力がないので、その物件を買う気にはならず、借りた方が得と考えるのです。

であれば、他人に貸すための投資用物件を買います。賃貸用の不動産は居住用不動産と比べてはるかに高利回りです。居住用の物件の価格にはプレミアムが加算されて割高に販売されているのです。