スマートグラスの開発ラッシュ
スマートグラスは、2020~21年にかけて「開発(発売)元年」とも言われました。海外では、アメリカのメタ(Meta Platforms/旧Facebook)や中国のシャオミ、同オッポらが、日本でもNTTドコモやリコー、エプソンなどが、それぞれ通常のメガネに限りなく近い形状の、最新スマートグラスを発表または発売。
その機能は、スマートグラスのレンズ(ディスプレー)上に重ねてデジタル情報を表示できるものや、大画面映像が視聴できる、画像の文字を瞬時に翻訳できるなど、各社さまざまで、ユーザーからは「どれを選ぶべきか、迷う」といった声も聞こえてきます。
他方、改めて開発者側に求められ始めたのが、「コア・コンピタンス」と呼ばれる考え方。「core(中核の)competence(能力、技能)」の意味で、1990年、米コンサルタント(企業戦略家)のゲイリー・ハメルとC.K.プラハラードが提唱した概念です。
日本でコア・コンピタンスの好例とされるのが、ホンダのエンジン技術やシャープの液晶技術など。不可欠な3つの視点とされるのは、「模倣困難性」や「展開可能性」、そして「価値創出性」です。
JINSの最大の強みは、言うまでもなく「メガネ(アイウエア)」本体。その意味でも、新ジンズ ミームで、計8種類(デザイン4種×各2色)のフレームから選べるようにしたことや、別途サングラスタイプも用意したこと、そしてなにより「度付き」のレンズを選べることは、まさに「模倣困難性」と言えるでしょう。
ただ、それ以上に重要な武器となり得るのは、初代ジンズ ミームの開発段階から彼らが自問自答してきた「価値創出性」の視点。すなわち「技術ありき」で終わらない「なんのために」の発想こそが、JINSの企業理念と相まって、今後の新たな「展開可能性」に繋がるのではないでしょうか。