老後に備えて十分な貯金をするにはどうすればいいか。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんは「高金利や年金に頼れる時代はとうに終わった。今こそ“令和版へそくり”を始めるべきだ」という――。(第1回)

※本稿は、山口京子『貯金ゼロから始める「新へそくり生活」のススメ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

小銭入れを持つ女性
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多くの日本人は正しいお金の付き合い方を知らない

あなたは日ごろ、こんな風に考えていませんか。

「お金のことを勉強するのは難しい」
「節約をしなければお金は貯まらない」
「収入が少ないからお金が貯められない」
「投資をするお金はない」
「投資は怖い」

もし、1つでも当てはまるものがあれば、そこに貯められない原因があります。それはあなたが、「貯められない人」なのではなく、お金とうまくつきあう方法をまだ知らないからです。

毎年、卒業を前にした小学生にお金の話をしています。でも、そこでするお話は、大人向けの一般のセミナーでする話とほぼ同じ。つまり、小学生と大人のお金についての知識はほぼ一緒ということです。

2022年度から、ようやく高校の家庭科で、金融や資産形成の基礎知識などの授業が始まりますが、多くの人たちは、お金について学んだ経験を持たずに大人になっているのです。

実際、個人のお金や金融に関する知識や行動についてのある調査報告書(*1)によれば、お金の知識に自信がある人の割合は、アメリカ76%に対して、日本はたった12%でした。だから安心してください。あなただけでなく、多くの日本人がお金のことをよく知りません。

*1「金融リテラシー調査2019年」(金融広報中央委員会)