死を意識して気づいた「ただ呼吸できる幸せ」
今回は、肺がどんな役割を果たしているのか、肺機能が衰えると何が起こるのか、そして肺機能をよみがえらせるためにベストなトレーニング法を紹介しました。
かくいう私も、肺と呼吸の大切さを痛感した出来事があります。ある日を境に、ゴホゴホと咳が止まらなくなり、普段通りの呼吸ができなくなってしまいました。
ぜんそくになってしまったのかと思いながらも、ちょうどニューヨークへの出張が決まっており、さまざまな薬をもって渡米しました。ところが到着すると症状はさらに悪化し、咳が止まらないどころか、数十秒、呼吸まで止まってしまったのです。
呼吸ができない時間はとてつもなく長く感じました。「大丈夫、すぐに戻る」と自分に言い聞かせながら、なんとか平静を保とうとするものの、「死」という文字が脳裏に浮かびました。
現在は適切な治療によって症状は落ち着きましたが、思いがけず死にかけたことで「ただ呼吸できること」がいかに幸せなことか、ひしひしと感じました。
肺炎などで呼吸器が病気になると、筆舌しがたい苦しみを味わうことになります。肺の機能の衰えは自覚症状が少ないため、「思いがけず病気になる」人がほとんどです。
とくにいまは新型コロナウイルス感染症の流行で、肺はこれまで以上のリスクを抱えています。
呼吸ができない苦しみを味わわないためにも、拙著『最高の体調を引き出す 超肺活』内で紹介している「肺活トレーニング」を通して、いまのうちからしっかりと肺をメンテナンスしていってください。