呼吸筋を鍛える“肺トレ”
このなかで、最近注目されているのが間質性肺炎という病気です。
間質性肺炎はウイルス感染などの急性の場合をのぞき、1年以上の時間をかけてゆっくりと進行していきます。
はじめは階段や坂道をのぼるときに息切れする程度ですが、病気が進行すると服を脱いだり、入浴したりといった日常動作で、痛みを伴う咳が出るようになります。
そしてそのまま放置しておくとやがて重篤化し、命を落とすケースが非常に多いです。
では、肺の機能の衰えは、あきらめるしかないのでしょうか?
答えは、否です。
肺の機能は何歳になっても高めることができます。
実際、臨床の現場では、肺の手術が決まっている患者さんに、手術の1週間前から肺の機能を鍛えるためのトレーニングをしてもらいます。
失った肺胞そのものを復活させることはできませんが、呼吸筋を鍛えることで呼吸する力を強化し、血液を取り込む酸素量を増やすことはできるのです。
その方法として、呼吸器研究、循環器研究、自律神経学をもとに考案したのが「肺活トレーニング」です。
今回は拙著『最高の体調を引き出す 超肺活』から、肺の力を復活させる「肺活トレーニング」を2つご紹介いたします。
呼吸筋を鍛えるトレーニング2選
肺活トレーニングとは、肺のまわりの呼吸筋群を鍛え、呼吸する力を強化し、肺の機能を高めるエクササイズです。行う時間帯に決まりはありませんので、好きな時間帯(できれば食後30分は避ける)に行ってみてください。無理のない範囲で、毎日1セット~3セットを行うのがよいでしょう。
まずご紹介するのは胸郭のトレーニングです。
続いて、肩甲骨周りのトレーニングです。
いかがでしたでしょうか?
ご紹介したトレーニングを含めた「肺活トレーニング」を、一般の方に2週間試していただきました。そのなかで、肺年齢が91歳だった52歳の男性が、2週間後に48歳まで肺年齢が若返るという驚きの検査結果が報告されました。