ある小児科に勤める方が「とにかく行政が面倒です。無症状の子供でも陽性だと申請したり、濃厚接触を隔離したり。とにかく無意味なことの連続です」と教えてくれました。

「コロナはとにかくかかっちゃダメ、かかったら終わりと思っている親御さんが多いと思います。遺伝子RNAワクチンが効くかどうか、子供がコロナで重症化するかどうかなんて眼中にないと思います。とにかく打たなくては、という親御さん多いと思います」

もう、ウイルス感染がどうこうではない世界になっています。必要性や有効性がなくても接種するという医療科学を無視した異次元の精神論です。いまだ治験中の遺伝子RNAワクチンが本当に必要なのか、デメリットを超えるメリットはあるのか冷静に考える必要性があります。

ほとんど無害なウイルスで、外出を控えたり、休校したりするのもナンセンスです。

まん延防止重点措置の国への要請に慎重な姿勢を示している県もあります。立派な判断だと思います。

2年前から繰り広げられてきたものが永遠に続けば日本は自滅します。彼らが、まん延防止重点措置を回避し中折れしないことが希望につながります。

これから私たちがすべきこと

これまで見てきたように、コロナ専門家のマネジメントの失敗は、私たちに恐怖心を増長させ、自粛や規制によって経済をいたずらに冷え込ませました。

デルタ株以降、感染者数と死者数の「リンク切れ」(あるいはdecoupling、非連動)が鮮明になったにもかかわらず、対策のアップデートを怠ってきました。

では私たちはこの不条理にどう立ち向かえばいいのでしょうか。

それは、自分たちで離脱していくほかありません。冷静に、確認されたデータを基に私たちが意識をアップデートしていくことが重要だと思います。

私は期待を込めて、オミクロン株の感染拡大が「最後の不条理」になると考えています。感染確認者が急拡大するほど被害との「リンク切れ」や「decoupling」を多くの人がリアルな観察される事実として強く認識すると考えているからです。

私がこのコラムを開始した2年前は、専門家とメディアが土砂降りの雨を降らせる真っ暗闇のなか「事実を知らせて希望の灯りをかかげなくては」と思っていました。今では患者さんとの会話やウェブ上のさまざまなコメントを拝見するにつれ、日本の方々の洞察力や慧眼を専門家以上に信頼して良いと確信するようになりました。

「コロナは終わった。どちらでもいい」ということの認識が重要です。私は、その後起きるだろうことを予想して2020年6月に「日本のコロナウイルスは終わった。さあ旅にでよう」という記事を書きました(注9)

記事の最後には「私たち国民は、それを学ぶために大変な苦労と借金をしてしまった。自分の疲れと経済の疲れを癒やすために国内旅行にでかけよう。経験を積んで、新しい旅にでよう」としています。

「要は風邪をひいたから同じような風邪をひかなくて済んだというだけのことだ。マジックのタネというのはシンプルなものだ」ともお伝えしていました。マジックのタネはその後、理化学研究所や国立遺伝学研究所によって明らかにされつつあります(注10、11)