中国のトレンドをチューニングするためのヒントに

——2017年ごろにチャイナ・イノベーションがもてはやされましたが、ほどなく、「あれは中国の社会じゃないと無理」というものがたくさんあることが明らかになり、ブームはしぼみました。事実、“街のどこにでも乗り捨てられる”という中国型の仕組みのシェア自転車なんて、日本ではそもそもサービス開始にこぎつけることも無理です。

藤井直毅『新消費 デジタルが実現する新時代の価値創造』(プレジデント社)
藤井直毅『新消費 デジタルが実現する新時代の価値創造』(プレジデント社)

【藤井】その通りです。中国社会特有の事情でしか成立しないものと、日本でも取り入れられるものを選り分けて、やれることが何かを示していくのは、日中間で働く人間の仕事であって、それは今後より重視されるように感じます。

——本書『新消費』は、「進んだ」中国における流行の消費トレンドを、どのようにして日本に適用させていくかを考えるうえで、ヒントに富んだ一冊かもしれません。

【藤井】ありがとうございます。中国で売れているもの、人気が出ているものを、どのように日本に適用できるようチューニングするか。それを考える上でのヒントを提供できればと思いますね。