歌舞伎町・大久保公園に佇む女性たち
緊急事態宣言が明けて最初の日曜日となった10月3日。NPO法人「レスキュー・ハブ」代表の坂本新さん(50)は、午後9時過ぎに歌舞伎町交番に立ち寄った。
同公園周辺に立つ女性たちに声をかける「夜回り」に向かう前の挨拶だ。定期的に来ていることから顔見知りの警察官もいる。「ご苦労さまです」との声を受けながら、150メートルほど離れた大久保公園に向かった。
反時計周りに夜回りを始めると、すぐに顔見知りの女性が立っていた。茶髪でノーマスク姿。20代後半のように見える。言葉を交わしながら、何か困りごとがないか聞く。この日は特段、打ち明けられたことはなかった。
彼女から離れると、坂本さんは「最近、ここに来るようになった女性です」と教えてくれた。
再び歩いていくと、今度は後ろから歩いてきた女性に「やあ」と声を掛けられた。長い髪を揺らし、ピンク色のマスクをつけていた。彼女も同じく20代後半のようだ。
ここに立っている女性たちが客引き中か、単なる暇つぶしや待ち合わせでいるのかの判別は、ぱっと見ではしにくい。繁華街を歩いているほかの女性たちと同じような服装だからだ。決して、露出が多いなどの特徴はない。
ここにいたという女性教師も含め、彼女たちはどんなことをしているのだろうか。
「外見はごくごく普通で大人しい印象」
——昨年11月に売春防止法で逮捕され、懲戒免職処分を受けた女性教師は、ここ大久保公園で売春をしていたと報じられています。
【坂本さん】ニュースに接した時、この場所で声をかけて支援活動をした、20代後半の女性を思い出しました。
その彼女も昨年11月に売春防止法の疑いで逮捕されています。教職とまでは明かしてくれませんでしたが、比較的堅めの昼職についているとは聞いていました。また、お金のかかる趣味があり、ここにいるんだとも。
外見は派手でなく、ごくごく普通。自分からガンガン話すというより、やや大人しい女性との印象です。
LINEでやりとりをしていたのですが、処分報道のあとは連絡が取れていません。ニュースは匿名なので、必ずしも彼女とは言い切れませんが。
——女性教師かどうかは別として、その方へはどんな支援活動をしたのでしょうか。
私たちの団体は、警察や役所、弁護士につなげることを目指しています。そのタイミングは、彼女たちがここから足を洗いたいと考えた時です。
ここで客を取った女性たちは、近くのホテルで売春行為をします。男性が払うお金は交渉で変わりますが、平均では1回で1万5000円から2万円ほどです。全員が稼げるわけではありません。