希望する企業に転職できたのに、職場になかなかなじめない、ギャップを感じる。こうした悩みを解消するにはどうすればいいのでしょうか。35歳以上の転職事情に詳しい黒田真行さんが、対策を伝授します――。
オフィスで頭を抱える思い悩む女性
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◆今回のお悩み
新卒で入社した日系メーカーで10年以上働いてきましたが、2カ月ほど前に外資系企業に転職しました。フラットで風通しがよく、意思決定も速いところに引かれました。でも、新しい会社の雰囲気や仕事の進め方になかなか慣れることができず、ストレスを感じています。
仕事自体はやりがいがあるので、何とか気持ちを前向きにしてここで働き続けたいと思っています。転職先の環境になじんでいくために、必要な意識や心構えなどありましたら教えてください。(35歳・外資系メーカー勤務)

「郷に入っては郷に従え」が大前提

同じ会社で10年以上働き続けている人は、そこで教え込まれた仕事の進め方を「当たり前」だと思ってしまう傾向があります。仕事の進め方のルールは会社ごとにかなり違いがあって、他社や世間一般でも当たり前であるとは限りません。

転職して違う会社に行くなら「郷に入っては郷に従え」が大前提。そして、これを実践するには、自分が当たり前だと思い込んできたことが本当にそうなのかどうか、かなり強い疑いを持って見つめ直す必要があります。

転職は、長年暮らした自宅から他人の家に引っ越すようなもの。よその家に行けば、雰囲気はもちろん生活スタイルも食事も違って当然です。それを無視して自分のやり方を持ち込んで、例えば「お雑煮は白味噌ベースでなければダメ」「夕飯は19時が当たり前」などと無理に押し通そうとすれば、相手との間に軋轢が生まれてしまいます。当然、ストレスも大きくなるでしょう。

大切なのは、相手方の「当たり前」に慣れていくことです。自分が慣れ親しんできたやり方は場所が変わると当たり前ではなくなるものだと考えて、まずは郷に従ってみる。そこが、新しい職場になじんでいくためのスタート地点になります。