入社後のギャップを減らすために

転職先のやり方に従ってみて、違和感を覚えることもあるかもしれません。でも、それは「前の会社のやり方と違う」という思いから生まれている可能性が高いのです。

どう考えても理不尽だということならともかく、そうでないなら「これがこの会社の当たり前なのだから、時間はかかっても慣れていこう」という意識を持つことが大事だと思います。

確かに、日系から外資系への転職では、上下関係やスピード感が大幅に違うこともしばしば。ただ、そこに引かれて転職した人なら「思っていたのと違った」というギャップは感じないはずです。問題が「やり方に慣れない、なじめない」という主観的な部分だけなら、少し意識を変えることで解消していけるのではないでしょうか。

では、転職先が「思っていたのと違った」場合。女性が活躍できる会社だと思っていたのに実際は男性優位だった、面接で仕事と育児を両立しやすい風土だと説明されたのに実際は違った──。こうしたギャップを自分の力だけで解消するのは難しいので、できれば入社前に実情を把握しておきたいものです。

それには、現場で働いている社員に話を聞くのがいちばんです。内定前後に人事担当者に頼んで、できるだけ自分と年齢や境遇が近い社員とフラットに話せる場を設けてもらうのです。

可能なら2~3人の社員と話しておきたいところ。例えば、育休や時短勤務などの制度が気になるならその経験者、自分が管理職採用や管理職志望なら管理職の人、そして同じ職種の人や中途採用者など、人事担当者に希望を伝えてみてください。

社員に話を聞けば、実際の現場の雰囲気も制度の活用具合などもよくわかります。人事担当者は、採用したい人に対してはプラス面ばかりを伝え、マイナス面を隠しがちですが、結果的にそれがギャップにつながることも少なくありません。

社員に話を聞く
写真=iStock.com/FilippoBacci
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