イケアのイノベーションスタック

1.カタログショールーム

他の起業家的な会社と同様、イケアは厳しい環境への対応としてイノベーションスタックを開発せざるを得なくなった。カンプラードは、イケアイノベーションスタックの鍵となる要素をこう説明した。

この瞬間に、現代のイケア理念の素地、後に、常に適用されるようになる原則の基礎が創られたのです。つまり、その第一の原則とは、人々を展示場へと惹きつける(現在はイケア店舗になっていますが)カタログを基本とする。……第二の原則は、人々がカタログを手に、広い建物内の中を歩きながら、インテリアや購入希望の商品を見て触ることができ、それから注文をして工場に発注するというものです。通販と家具デパートの二つが一つになったもので、私の知る限りでは、当時そういうビジネスアイデアはなく、誰も実行していませんでした。私たちが最初です6

でも自国では家具を作れなかったから、どうしても必要になったのが……。

2.外国製造

スウェーデン国内の工場はボイコットのせいでイケアに門前払いを喰わせたから、カンプラードは他のところに行くしかなかった。そこで工賃が低くて天然資源豊富な場所、ポーランドを選んだ。ポーランドの経済はひどい状況だったから、スウェーデン人労働者の数分の一の賃金ですばらしい労働者を雇えた。だがポーランドの工場は古くて品質問題があったから、どうしても必要になったのが……。

「自分で組み立てる家具」が生まれた経緯

3.効率的な工場

ポーランドの工場再設計は、品質問題を解決しただけでなく、効率性を上げて費用も下げた。工場はあまりに多くの家具を製造したので、その出荷量がすさまじくなった。だがポーランドからかさばる家具を出荷するのは非効率で高価だった。家具の梱包はほとんどが空気だからだ。そこでどうしても必要になったのが……。

4.分解式家具

分解式家具は梱包の容積を節約して損傷も減らした。でもそれは、受けとり側で再組み立ての労働者を必要としたし、そうした労働者は追加の工賃が必要で、最終顧客向けにまた配送問題を創り出すだけだった。そこでどうしても必要になったのが……。

5.自分で組み立てる家具

イケアは、顧客に自分で家具を組み立ててもらうことで、価格を抑えて時間と場所を節約しようと思いついた。でも分解式家具は顧客が組み立てるのはむずかしかった。そこでどうしても必要になったのが……。