筆者が驚いたのは、日本ではこの「つり目ポーズ」を「別に差別だと思わない」と発言している人がいることです。
SNSでは「誰々さんは東洋人だけれど目が大きいから、つり目ポーズをされるのが不思議」だとか「アイプチを使えば、目が大きくなるので、つり目ポーズはされないはず」などのどこかトンチンカンな意見が目立ちます。
「つり目ポーズ」をする人は、アジア人を差別しているからそのようなジェスチャーをするわけです。「アイプチ」や「目の大きさ」の議論は的外れだと言わざるを得ません。
中国人も日本人も“東洋人”
「つり目ポーズ」には「やーい、中国人!」とからかう言葉が伴うことがあります。
差別されているのはあくまでも中国人であって、日本人は差別されていないと思い込もうとする日本人もいます。これは誤りです。
筆者は、日本人はどこか「アジア人」や「東洋人」という言葉をひとごとのようにとらえる傾向があると感じています。アジア人や東洋人とは「日本以外のアジアの人たち」であって、日本人は“例外”と考える人も少なくないと思います。
「自分がアジア人であり東洋人であること」、そして「アジア人がマイノリティーである国に行けば差別の対象となること」をしっかりと受け止める必要があります。対処法を探っていく過程を経験していれば、他人(たとえば黒人)が受ける差別にも敏感になれると思います。
もう「肌色に差別の意図はない」と軽々にはいえないはずです。