昔ながらの、あおむけの姿勢で上半身を起こす古典的な腹筋も良いのですが、自己流の誤ったフォームで行うと首や腰など身体の他の部分を痛めてしまいますのでご注意ください。また、あおむけになり両手で頭の後ろで組み、おへそをのぞき込み、お腹に少し力を入れる「クランチ」も立派な腹筋トレーニングになります。

毎日の少しの努力が健康寿命を延ばす

中高年になってお金の貯えがあっても身体がうまく動かないと旅行やスポーツを心から楽しめません。これは多くの患者さんを診ていて強く感じていることです。

お金と違って借りることができない筋肉は、毎日の運動で貯えるしかありません。日々の努力でみるみる貯筋は増えます。最終的に自分自身の一生モノの財産になってくれます。

「私の人生、好きに生きるんだ! 早死にしてもいい! 75歳で十分」という方もいらっしゃいます。医療が進歩しているため、そう簡単には死ねません。

健康寿命を平均寿命にできるだけ近づけ、日常生活はもちろん、趣味や旅行、スポーツライフを快適に楽しく過ごす。そんなポジティブな生き方を送ってほしいと私は願っています。

次回は、健康寿命を延ばすために鍛えるべき3つのFの筋肉の残りの2つ、太ももとふくらはぎの貯筋の方法をご紹介します。(後編に続く)

※参考:公益社団法人 日本理学療法士協会ホームページ 理学療法ハンドブック
理学療法ハンドブック|理学療法士を知る|公益社団法人 日本理学療法士協会

(聞き手・構成=医療・健康コミュニケーター高橋誠)
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