※本稿は、上大岡トメ『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(黒田尚子監修・主婦の友社)の一部を再編集したものです。
父に続き、まさか母が倒れるとは! 頼りになったのは先を行く友!
◆私の介護体験CASE 1 キングジョージさん(55)の場合
東京都在住。父(85)と母(79)は神奈川県の自宅で二人暮らし。父は5年ほど前にパーキンソン病を発症、母が父の世話を全面的に担っていた。その母に多発性骨髄腫が見つかり、緊急入院。
父(85)は5年ほど前から急激に衰えだし、パーキンソン病と診断された。そんな父の介護を全面的に担っていたのが、6歳年下の母(79)だった。正直、母が病気になるとは想定していなかったし、あったとしてもまだ先だろうとタカをくくっていたので、介護保険についても私(55)はまったく無知な状態だった。
ところが、母に多発性骨髄腫が見つかり、緊急入院することになってしまったのだ。最大の課題は、母の入院中に父をどうするか。東京と神奈川はさほど離れているわけではないが、私も仕事があるので実家でつきっきりの介護はできない。
まずは要介護認定を受けなくちゃ! 当時、弟は海外駐在中。父と母二人の介護保険の申請、母の入院手続き全般、母の入院中の父の預け先探しを私ひとりでやらなければならなかった。膨大な書類を処理するための能力・気力・体力が足りず、その場で判断&選択しなければならないことがあまりに多い。
自分でも驚くほどに追い込まれ「先に倒れるのは私か?」と何度も思った。認定を受けたあとも、どんなサービスを利用するか、どこの事業者と契約するか、決定までに面談や話し合い、書類の記入などが次々にやってくる。「やるしかない」と気力をふりしぼり、地域包括支援センターのかたに助けられ、なんとか乗り切ることができた。
介護サービスは「遠足のおやつ」方式
二人に要支援2の認定がおりてからも一苦労だった。介護サービスには上限額があり、その範囲内でサービスを選ばなくてはいけない。遠足のおやつと同じだ。200円で大きなお菓子を1つ買ってもいいし、10円、20円の駄菓子を組み合わせてもいい。
でも、何がベストな選択なのかは、私には見当もつかない。そんなとき心強かったのは同世代の友人たちの存在だった。「うちの親はこうだった」「こんな話も聞いたよ」という実体験と口コミが本当に役に立った。
それと並行して、実家を大改造した。実家は2階にキッチンや居間、寝室があったが、母の退院までに生活の基盤が1階になるよう移動させた。たくさんの物を処分したが、母自身が要・不要の判断をしてくれたので助かった。
母にとって最大の気がかりは父の世話ができないことだった。母の回復と家庭平和のためにも、母の負担を減らすサービスも探した。
たとえば父の服薬管理は、薬局にお願いして1回に飲む薬をまとめて個包装してもらった。食事は宅配サービスを利用することに。「こういう部分を助けてほしい」と思ったら、あきらめずに調べる・問い合わせることはとても大切だ。そしてお金で解決できることもけっこうあるので、お金はあるに越したことはないというのが正直な気持ちだ。