老親の衰えはどのような瞬間に表れるのか。『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(主婦の友社)に登場する介護経験者たちは、親が「なべを焦がす」「自損事故を起こし、新車を買っていた」「イライラやネガティブが全開」といった事例を挙げる。富山でひとり暮らしをする母親を兄妹で遠距離見守り中のファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「大事なことは初期消火。親の小さな変化に気づくことが大切です」という――。

※本稿は、上大岡トメ『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(黒田尚子監修・主婦の友社)の一部を再編集したものです。

お盆や正月の帰省は家族ではなく自分ひとりがいいワケ

Q 親はまだ元気だけど、注意すべき点は?
A(黒田尚子さん) トラブルに見舞われる可能性が。
不安の芽は早めにつみとって

私たちの人生に思いがけない災難はつきものですが、親が高齢になるにつれてその発生率は高くなります。大事なことは初期消火。「なんでこんなことに!」と悲鳴を上げる前に、老親の小さな変化に気づくことが大切です。

そのためにも、いままで以上に顔を合わせたり電話で声を聞いたりして、コミュニケーションをとる機会を増やしましょう。「盆と正月に家族で実家に顔を出している」という人なら、ひとりで会いに行く回数を増やすのもいいかもしれません。大勢での帰省は老親には負担かもしれませんし、少人数のほうがゆっくり話すことができます。なにげない会話や日常生活の中に、老親の現状を知るヒントがあるのです。

高齢者をとり巻くありがちトラブル
図版=上大岡トメ『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(黒田尚子監修・主婦の友社)より