介護を悲痛なものにするか、笑えるネタにするかは「自分しだい」

現在同居中の母は、相変わらず夜中に「おしっこ!」と叫び、私は十分な睡眠がとれないでいる。でも、日中の母は明るくほがらかで、トンチのきいた楽しい人だ。「施設に入れたら?」と言う人もいるが、母との暮らしには絶えず笑いがある。

「あんなにしっかりしていて、いつもきれいだった母が……」と悲しくなる瞬間もあるが、いまの暮らしを悲痛なものにするか、笑えるネタにするかは自分しだいだと思っている。

そのために私が決めているのは、自分の仕事と趣味には手を抜かないことだ。デイサービスや訪問看護をフル活用し、仕事はもちろん、コーラスの練習にもコンサートにも落語会にも出かけている。「お母さん、ごめんね」の多少の後ろめたさがあるからこそ、母に接するときに優しくできるという側面もあると思っている。

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