「目のかすみ」で一番恐ろしいのが緑内障

Q 目のかすみで白内障以外の病気も考えられますか。

A はい、考えられます。白内障より恐ろしいのが、失明原因ナンバーワンの「緑内障」です。一般的に緑内障は、よく「視野が欠ける」病気だといわれますが、そう聞くと多くの人は、お皿の端が欠けるように、常に見えない部分が存在すると想像するでしょう。

しかし実際は、ときどきかすんで見えると感じることや解像度が徐々に落ちるように全体的に見えづらくなることが多く、はっきりとした視野の欠けを自覚する頃には、緑内障が相当進んでしまっています。「目がかすむ」と感じる原因がもし緑内障であれば、すでにある程度進行している可能性が高いです。

目がかすむと感じたら
・まばたきを数回するとピントが合うようであれば、ドライアイの可能性大。
・ドライアイの症状を軽減するため、こまめにまばたきしたり目を閉じたり、防腐剤の入っていない涙に近い成分の目薬を使ってみる。
・メガネやコンタクトレンズを装用している人は、度数が適切か確認。
・白内障が疑われる場合は、レンズの濁りがひどくなる前に眼科を受診。
・白内障は急ぐ必要はないものの、見えにくくて困る場合は手術を検討。
*目がかすむ場合、緑内障の可能性もあるので必ず眼科を受診

2 ぼんやりとモヤがかかったように見える

A 「モヤがかかったように見える」と訴える患者さんは、どんな原因であれ「目がかすむ」場合よりも重症なことが多いです。モヤがかかったように、ぼんやりとしか見えない場合、白内障や緑内障、それも“末期”であることが疑われます。

また、糖尿病が原因で起こる「糖尿病性網膜症」も多いです。糖尿病になると、血液中の糖が増えて血管がもろく、破れやすくなります。目の奥の網膜にある血管は、特に高密度に張り巡らされているので、詰まったり出血したりしやすくなります。「糖尿病性網膜症」は放置すると永続的な視力低下の原因となり、受診をためらっているうちにあれよあれよという間に進行し、最悪の場合、失明に至ることもあります。

出血以外でも、血管から水分が漏れ出して、大切な網膜がじわりじわりと弱っていく黄斑浮腫」という状態になると、「モヤがかかったように見える」ようになり、こうなるとなかなか回復することがありません。

さらに血管が障害を受けて機能しなくなると、体は酸素や栄養を届けようとして別に新しい血管をつくり始めます。この「新生血管」はとてももろく、出血などが起こりやすいため、しばしば大出血を起こします。その結果、急にぼんやりとモヤがかかったように見えるようになります。