沈黙のあと、出てきた言葉は……

そこで、わたしは彼女に少しの間だけそのギリギリと締め付けられている感覚に寄り添ってほしいとお願いしました。目を閉じてしばらく沈黙していた彼女が口を開いた時、出てきた言葉は「わたしは怒っていたんじゃなかった」。どういう意味なのか聞いてみると、「怒り」という表現は不正確であって、正しくは上司に「裏切られた」と感じたのだそうです。裏切られ、攻撃されやすい立場に置かれてしまったからこそ憤りを感じていたとわかったのです。

これは感情がもたらした情報にほかなりません。この情報をもとに上司と話し合いをしたほうが、「あなたのこと許せない!」と感情的に挑むよりもはるかに建設的な結果を生む確率が高くなります。実際、彼女はその後、上司と冷静に話し合うことで、より良い方向へと舵を切ることができました。

感情に翻弄されない生き方

感情、とりわけ怒りや悲しみの感情に寄り添うのは、繰り返し練習してこそ身につけられるスキルです。練習を重ねていくことで、感情から情報とエネルギーを得られるようになり、自分の生き方をより上手くコントロールできるようになります。

仕事で求められる責務を果たしていくだけで精一杯の毎日を過ごしていると、立ち止まって自分の価値観や生き方を省みる機会がなかなか取れないのが現実です。

自分の人生を舞台にして、IRマップなどのツールを駆使して、セルフマネジメント力を養う機会はいつでもあります。そうすれば、人生の中であなたの日常に降りかかってくるあらゆるクレイジーな出来事も訓練となりえます。そう考えれば、世の中はいつだって学びの機会に満ち溢れているのです。

(構成=山田ちとら)
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