更生支援は「官」やボランティアの保護司任せでよいのか
しかし、この政府の対策は遅きに失した感が否めない。多様化した病理集団は、裏社会にカオスを生じさせている。その犠牲になるのは、オレオレ詐欺等対策プランが指摘する通り、犯罪に取り込まれる未成年者や、高齢者に代表される社会的弱者、われわれ一般人なのである。
現在、特殊詐欺は厳罰化が進み、銀行口座の売買や特殊詐欺に関与すると、少年でも銀行口座が作れなくなる厳しい現実ある。
加害者であっても、一方で被害者でもある少年を日本社会はどのように更生させてゆくのか。その更生支援は「官」任せでよいのか。ボランティアの保護司任せでよいのか。社会は、彼らにどのようなやり直しの機会を与えられるのか――われわれは真剣に考える時期にきている。
ワンストライクでアウトになる社会では、負の回転ドアは回り続け、犯罪者の再生産が止まらない。それは、再犯という形で、早晩、われわれに厳罰化の無意味さを突き付けるだろう。