飲み屋街や山中でマリファナの密売を始める
中学2年の時、先輩のバイクを運転させてもらい、中学3年からは暴走行為をするようになった。暴走の回数は「数え切れないほど」であるという。この少年は車が好きなようで、15歳の時に先輩の名義でレクサスを購入。後述するマリファナ(大麻)の売買には、車が欠かせなかったと述べている。
中学を卒業後、「高校には進学せずに仕事をした方がカッコいいと思い」建築作業員として就労するが、最初の職場を皮切りに頻回転職している。
自身は薬物をやったことはないものの、ツイッターで時給がいい仕事を探していて、先輩から紹介されてマリファナの密売に手を染める。この密売は、都市の飲み屋街や山中で行われていた。少年は、いわゆるマリファナの「出し子」のような役割を担っていたという。シノギとしては、一日で数万の稼ぎになったとのこと。もっとも、この薬物の供給元は暴力団であった。
その後、16歳の時に、窃盗、住居侵入、道路交通法違反で逮捕され、保護観察処分を受けている。保護観察期間中、無免許による道路交通法違反で逮捕され、少年院に送致された。
非行を卒業しない子どもたち
半グレB、Cの話を聴きながら、筆者は自分の少年時代と比べ、非行内容の違いに驚いた。1970年生まれの筆者の時代は、けんかや万引き、バイク窃盗が主な非行で、薬物といえば、ボンドやシンナー位のものだった。
しかし、半グレB、Cは大人の犯罪者と組んでおり、犯罪色がより強い活動を行っている。なお、B、C両名とも10代にもかかわらず広範囲に入れ墨を入れている。
暴力団が、彼らのような少年を巻き込んでシノギをしなくてはならないということに、少なからずショックを受けた。少子化で組員確保が難しいということもあるのだろうが、筆者の時代には考えられないことである。
筆者の時代には、暴走族にも「卒業」があり、いい年をして非行を繰り返していることが格好悪いという「不良の文化」が存在していた。不良を極めたい者は暴力団に入門したが、それは一部の者にすぎない。
現在の半グレの青少年は、成人後もズルズルと犯罪を繰り返しており、卒業という概念がないように見受けられる。そのあたりは、アメリカのハリウッド映画に出てくるようなユース・クリミナル・ギャングに似てきた感がある。