脂質の偏りが全身に炎症を引き起こす
ところで、リノール酸から変換される「アラキドン酸」は、肉や魚、卵などにも含まれる脂肪酸です。
そのため、植物油に加えて牛・豚・鶏などの肉類に偏った食事を続けていると、動脈硬化のリスクが高まるだけでなく、アレルギーや歯周病、関節炎、ついにはがんなどの重大な疾患や老化にもつながっていきます。
つまり、全身の慢性的な炎症を起こしやすくなるのです。
アラキドン酸は魚にも含まれますが、魚は同時にEPAやDHAという「抗炎症物質」も豊富に含むため、アラキドン酸の炎症作用を抑え込むように働いてくれます。
魚が健康食とされるのは、このためです。
脂質を摂るときはバランスが重要
とはいえ、「肉は食べてはいけない」といいたいわけではありません。肉には私たちの体、血管にも皮膚にも欠かせない、良質なたんぱく質が含まれています。
大事なのは、「脂質を摂るときにはバランスが重要」ということを知って、賢く摂取することです。
たんぱく質を摂るときには、肉、魚などの動物性たんぱく質と、大豆などの豆類の植物性たんぱく質をまんべんなく食べることをおすすめします。それにより、たんぱく質を効率的に摂取できるだけでなく、脂質の偏りを防ぐことにもなります。