「親子で絵本」はたくさんのことを教えてくれる

幼児期に鍛えておきたいのは、「読み」と「書き」だ。「読み」は親の読み聞かせから始め、子供が字を読めるようになったら、「お母さんに読んでくれる?」と、人に聞かせるように読む練習をさせてみる。絵本は親子で一緒に並んで読むといい。そのほうが会話が弾みやすいからだ。このやりとりで、子供はたくさんの言葉を吸収する。

また、絵本の良いところは、書いてあることと絵の情景がつながっていること。幼い子供は字だけで、その景色を想像するのは難しい。まだ人生経験が浅く、いろいろなシチュエーションを想像することができないからだ。でも、たくさんの絵本に触れるうちに、次第に絵がなくても、想像ができるようになる。入試では書いてある文章から情景を想像する力が求められる。その予行練習として、絵本は最適だ。

子どもに本を読んであげる父と笑顔で寄りそう母
写真=iStock.com/monzenmachi
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書くことは、考える手助けをしてくれる

「書き」は先にも伝えたが、人に見せられる字を意識して書くこと。また、書くことは考える手助けをしてくれることを知っておいてほしい。人は短期記憶なら覚えておくことができるが、その内容が複雑になるとわからなくなってしまう。物事を整理したり、考えたりするときには、とりあえず書き出すと道筋が見えやすくなる。考えることは書くこと。この習慣がついていると、受験にも強くなる。

低学年になったら、「読み」「書き」に加えて「計算」も強化していきたい。低学年のうちはこの3つをしっかりやっていればいい。人より早く勉強をさせる必要はない。子供の成長に合わせ、無理なく確かな力をつけていくことが大切だ。

(構成=石渡真由美)
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