第1志望校に進学できる子は「全体の約3割」
首都圏の中学受験が幕を閉じ、コロナ禍で戦った受験生たちも4月からの進学先が決まったことだろう。めでたく第1志望校に合格した子、惜しくも第2、第3、第4志望校に進むことになった子、残念ながらすべての学校が不合格で公立中学に通うことになった子など、結果はそれぞれ。
でも、学校説明会などで実際に学校へ足を運び、そこで感じた校風や生徒たちの様子を見て、「この学校いいな」と納得のいく受験校選びをしていたなら、たとえ第1志望に進学することができなくても、前を向いて歩いていけるはずだ。実のところ、中学受験で第1志望校に進学できる子は全体の約3割で、その他大勢の子はそれ以外の学校へ通うことになる。大事なのはそこからどう伸びていくかだ。
「ざんねんな学校」に進学したと思うと、成績が下がる
難関校に強い大手進学塾に通う子供たちにとって、偏差値40台の学校は“ざんねんな学校”と思われている。でも、実際はその“ざんねんな学校”に進学する子は少なくない。そういう子は、入学後、「俺、開成受けたんだけどなー」「本当なら麻布に受かるはずだったのにな」と、難関校を受験したことをアピールしたがる。何で俺がこんな学校に行かなければならないのだ、とさも言いたげに。
だが、残念ながらそういう子は、中学に入ってから伸び悩むことが多い。入学時点では高い学力を持っているが、自分にとっては第3、第4志望にあたるその学校やそこに通う生徒をバカにしているところがあり、なめているからマジメに頑張ろうとしない。そうこうしているうちに成績が徐々に下がり、気がつくと最下位に。そこから浮上することができず、暗い海をさまよう深海魚のような状態になる。
一方、その学校を第1志望校として受験した子は、頑張った成果を実感し、やる気に満ちているので、その後も努力を惜しまない。両者の逆転劇は、入学後わりと早く見ることになる。