「家族以外」「野外」のセックスは禁止
イギリスの場合、6月1日から学校も段階的に再開していましたが、さすがマスク嫌いのイギリス人、子どもたちにマスク着用を禁止する学校もありました。バスや電車の車内では、一応、マスク着用が義務化されましたが、日本の「マスク警察」が見たら卒倒しそうなほど、ちゃんと着用している人はほとんどいませんでした。
当然のように、路上や店では誰もマスクをしていません。店内でもソーシャルディスタンスなどまるっきり無視で、お互いに近距離でしゃべりまくりです。手の消毒などやりませんし、店員から消毒液を配られても知らん顔です。
こんな調子なので、イギリス政府はロックダウンを緩和したのにもかかわらず、一部のルールを厳密化しました。そのなかにはトンデモないものもあり、なんと自宅で行う家族以外とのセックスのほか、野外セックスまで禁止にし、違反者は刑法犯に問うことにしたのです。これに対して一般市民は、「俺は義父とセックスしなければいけないのか!」と大激怒。イギリスの民度をよく表しています。
なぜこんなことになったかというと、数十万人が死亡するという予測を公表し、市民を恐怖のどん底に陥れた首相のアドバイザーを務めていた学者が、ロックダウン中に不倫相手と密会してゴニョゴニョやっていたからです。「自粛しろ」と言っている奴が不倫しているなら、実は平気なんだろ。室内での密会はダメ、じゃあ野外でするならいいじゃないか──そんなことを言う人が増えたのです。
日本人がまじめに自粛しているあいだ、イギリスは死者数が一向に減らないというのに、不倫しまくり、彼氏彼女の家に行きまくり。これでは状況が改善するはずがありません。
外食前に手を洗おうものなら変人扱い
そもそも欧州でもアメリカでも、普段から食事の前に手を洗う習慣がありません。学校は土足ですし、靴を履いたまま歩きまわったカーペットの上に幼稚園児が座ったり、寝っ転がったりしています。トイレは高級デパートでもひどい有様で、床がなぜか尿で水浸しだったり、便器が流されていなかったりとメチャクチャです。それ以前に便座が割れていたり、故障だらけだったりして、日本人の想像をはるかに超越しています。
電車やバスのなかでサンドイッチやリンゴを取り出し、手を洗わずにそのまま食べ、ちょっと荒い地域だと、ゴミを床に放り投げます。KFCの食べ残しが床に捨てられているバスもめずらしくありません。
これはイギリスだけではなく、私が4年間住んでいたイタリアをはじめ、欧州の他の国でもそれほど変わりません。几帳面なはずのドイツの衛生概念も「?」です。他人に迷惑をかけないとか、街をきれいに保つとか、そういう基本概念が欠けています。
それどころか、外食前に手を洗おうものなら、周囲の人に「ちょっと神経質すぎて頭がおかしいんじゃないの」と変人扱いされてしまいます。私は新型コロナ以前から医療用のワイプやアルコールを持ち歩き、外食時には必ずテーブルや椅子を消毒していましたし、手もきれいに洗っていました。そんな私の姿を見て、ママ友たちはいつもギョッとしていました。義両親には「神経質すぎる」と言われますし、家のなかを土足厳禁としたら、彼らと口論になったほどです。