マウントしてくる人は心の底に劣等感がある

わかりやすいハラスメントではないけれど、言葉の端々で上から目線が垣間見える人は、面倒くさい存在です。

そもそも上から目線の人は、賞賛されないと自分の価値を見いだせない人。人から尊敬されたいとか、すごいと思われたいとか、そういう気持ちが強いけれど、心の底に劣等感や不安感があるから、いつも傷つけられるのを恐れていて、それが起こらないように相手を見下しておくということが心理的背景にあります。

上司の話に疲れた女性
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気持ちを込めずに「すごいですね」

そういう人には、もう「すごいですね」と言っておくしかない。揚げ足をとるようなことを言うと激高します。ムダに相手の自己愛を傷つけると結局、火に油を注ぐだけなので、別の世界の人と思ってつきあう。ルールも価値観も違うので、どれだけこちらに正当性があっても通じません。ですから心の中では「残念な人だな」と思いながら、気持を込めず「あなたはすごい」と伝えるのが、いちばん丸くおさまる方法なのです。

「すごいですね」がきっかけで、関わりが深まってより面倒なことになるのは避けたいので、気持ちを込めずに言うことがポイントです。できることなら関わりをなるべく減らして、そういう人に関心を持たないこと。無関心でいること。向こうから話しかけられないように、「あいつは何を考えているかわからん」というぐらいの凛とした姿勢でいるのが正解です。

それぐらいの距離感でいないと、話しかけられて、長い話を聞かされることになり、それこそ面倒くさいですよ。それでも話しかけられたら「次に約束がありますから」と話をさっさとうまく切り上げられるように時間設定をする。そういう心がまえでいると、うっかり話しかけられても気持ちが楽です。