経費精算や確定申告など、面倒なお金の作業に追われる時期です。そろそろやらなきゃと思いながら、ついあと回しにしがち。いつまでもToDoリストに残っているのを見ては、ため息をついている人も少なくないのではないでしょうか。そんな気の進まない仕事をさっさと片づけるコツを、精神科医の井上智介先生に教えてもらいました――。
経費を計算する女性の手元
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動き出せない人の3パターン

ToDoリストにあるけれど、どうしても残ってしまう、いわゆる面倒な仕事は誰にでもあるものだと思います。

そもそも、その仕事が面倒なのは、やらなければならない「ミッション」になっているから。個人が組織に対して果たすべき使命といった意味合いが強く、「やらなきゃいけない」という義務感が強くてなかなか取り掛かれない。考えを巡らせすぎて、動けなくなってしまうのです。動けなくなる人に多いのが次の3つのパターンです。

(1)試行錯誤することがいいことだと思っている

ああでもない、こうでもないと考えているけれど、時間ばかり過ぎて、目の前のことは手つかずというパターン。

(2)効率的に終わらせることを求めすぎている

面倒くさいからこそ効率的にやりたいと、いろいろな情報やツールを集めて、結局、何も進んでいないというパターン。

(3)失敗したくないという思いが強すぎる

最初からつまずきたくない、スムーズに終わらせたいという思いが強すぎて、なかなか取り掛かれないパターン。

気の進まない仕事に取り掛かるときは、まずこの3つの考えを捨てること。そして、そういった「ミッション」を、だましだまし、少しずつでもやりたいなという「パッション」に変えていく必要があります。

パッションと聞くと、どこか前向きなイメージがありますが、ここでいうパッションとは、「やりたい」というより、「ほおっておくのが気持ち悪い」というイメージ。ある意味、自分でほうっておけないほどの“気持ち悪さ”をつくることが重要になってきます。