吸湿量が高いものほどポカポカと感じる

冬にはヒートテック、ファイバーヒートなど、発熱効果をうたうさまざまなインナー(肌着)が店頭に並ぶ。

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写真=iStock.com/DeRepente
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これらはどのような仕組みで“発熱”するのだろうか。東京家政大学の潮田ひとみ教授が解説する。

「人の皮膚からは常に水蒸気や汗などの水分が出ています。この水蒸気を繊維が吸収する際に、熱を発生する『吸湿発熱』という現象が起きます」

ただし発熱状態はずっと続くわけではない。

「吸湿できる量は繊維によって異なり、吸湿量が高いものほどポカポカと感じます。吸湿量は公定水分率というもので表せます。たとえば羊毛(ウール)なら15%なのですが、これは100グラムの羊毛があったとして15%まで水分を吸うことができる、という意味です(20℃65%RH環境)」(潮田教授)

衣類の繊維は大きく2種類、「天然繊維(羊毛、綿、絹、麻)」と「化学繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル等)」に分けられるが、天然繊維のほうが湿気を吸う力があり、羊毛の公定水分率がトップで、麻12%、絹11%、綿8.5%と続く。つまり図の右上に行くほど、吸湿発熱性が高く、暖かさを感じやすいということだ。

水分率と発熱量の関係