これ以上、「おじさん」に誰かの魂を削ってほしくない
この国から「おじさん」が消える——。小説『持続可能な魂の利用』の帯にはピンクの文字でただならぬコピーが書かれていた。それを読み、私はガラガラになった国会を思い浮かべた。「おじさん」が消えると、企業トップたちの部屋も静寂な場所になるだろう。
——カッコつきの「おじさん」は、今の社会システムを象徴する言葉として使っています。一人一人を批判していません。
著者の松田青子さんはそう説明する。
小説で使われている「おじさん」という言葉に年齢は関係ない。そして、女性の中にも「おじさん」は存在するという。なぜなら、社会が女性にも「おじさん」になることを推奨しているからだ。