育ちの良さは、食事中のマナーに表れる。マナースクールライビウム代表の諏内えみ氏は、「左手を小皿のように添える、いわゆる『手皿』はマナー違反だ。上品どころか下品な印象を与えてしまう」という――。

※本稿は、諏内えみ『一流女性のあたりまえ』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

朝食を食べる若い女性
写真=iStock.com/west
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知らないと恥ずかしい「正しいお箸の持ち方」

できなければ“一流女性”から脱落! それはお箸の持ち方です。昨今、私が拝見していて最も多い『NGなお箸の持ち方』の代表は、親指が人差し指の上に飛び出している形です。このような方々は、ペンをお持ちになった時も同じように親指が上へとはみ出しているのではないでしょうか?

日本人として、お箸が正しく持てないというのは致命的です。お箸の前に、まずはペンの持ち方から確認していく必要がありますね。

では、今お近くにあるペンを持ってみていただけますか?

親指、人差し指、中指の3本でしっかり支えられていますか?

その時の親指の位置が問題なので、まずはここできちんと確認いたしましょう。

人差し指の先から第一関節の間ほどに親指の先がくるようにしてください。第二関節までずれてしまってはいけません。そして、親指の先が人差し指の上にはみ出てしまうのは、なおいけません!

親指、人差し指、中指の3本の指先が、大きくずれることなくしっかりとペンを支えていることが基本です。

これができましたら、ペンをお箸に持ち換えてみましょう。まずペンの時のように、1本のみ持ってみてください。もちろん、親指、人差し指、中指の3本です。次に、親指の付け根にできた空洞の部分に、もう1本のお箸を入れます。この際も3本の指の位置は決して変えないことがポイントです!

新たに持った下側のお箸は、薬指の第一関節辺りで支えるだけ。その時せっかく3本で持ったはずの中指を下のお箸に移動させないでくださいね。

さあ、このまま上側のお箸だけ上下に動かしてみましょう。先ほど作った指先の位置は絶対変えないでください。すると……下側のお箸は固定されたまま動かず、上側のお箸だけが上下に動き、箸先が合うようになりましたでしょうか?

これで小さなものまでが摘めるというわけです。握り箸やクロスさせた誤った持ち方では、細かいお料理が上手につかめないのは“あたりまえ”です。

この見た目も美しい、正しいお箸使いができてこそ、『育ちがいい』大人の女性です。彼から和食店へのお誘いを受けても躊躇することなく、「まあ素敵! ぜひ」とお返事できるよう、お箸のレッスンは毎日お続けください。