コロナ禍で、急に「毎日身に着けるもの」になったマスク。しかし、正しく選び、正しく着けられているでしょうか。『マツコの知らない世界』にも登場したマスク研究家の飯田裕貴子さんが解説します――。

※本稿は飯田裕貴子・眞鍋葉子『感染症時代のマスクの教科書』(小学館)の一部を再編集したものです。

マスクを着用しようとしている女性
写真=iStock.com/itakayuki
※写真はイメージです

フィルター性能の高い「不織布マスク」

仕事柄、職場や電車内でマスクを着けた方を見かけると、つい観察してしまうくせがあります。スモールサンプルではありますが、職場では布マスク、電車内では不織布マスクの比率が多いように感じます。

皆さんはどのようにマスクを選ばれているのでしょう。具体的にどんなマスクを選んだらよいのか、規格や使用目的など、代表的な6つのマスクを例に説明します。

不織布マスク

不織布製のマスクは、マスク・フィルターの性能が高いマスクです。通勤電車や人が多い会議室など、人が多い空間ではこのタイプがおすすめです。

《プリーツタイプ》形状を顔にフィットさせやすく、漏れ込みも防ぎやすい

飯田裕貴子・眞鍋葉子『感染症時代のマスクの教科書』(小学館)
飯田裕貴子・眞鍋葉子『感染症時代のマスクの教科書』(小学館)

プリーツマスクの強みは、プリーツの開き具合や耳ひもの長さを調整することでマスクのタテの長さや横幅を、自分の顔に合わせて調整しやすい点です。そのぶん、さまざまな顔の形に合わせやすいメリットがあります。しかし、マスクの表と裏を間違えると顔へのフィッティングが悪くなり、防御性能が下がってしまうので要注意。正しくマスクを着けるひと手間で、マスクの形状を調整してみてください。

《立体タイプ》短時間で簡単に装着可能、多忙な人におすすめ

不織布製の立体マスクは一般用マスクの中ではマスク・フィルターの性能が高いものが多くあります。簡単に着用できるので、マスクの形状を自分の顔に合うように調節することが苦手な子どもや、忙しくてマスクの装着に時間がとれない人に向いています。着けるときのポイントは、鼻の付け根からあごまでをカバーするように顔に置くこと。やわらかい伸縮素材を用いている場合が多く、耳が痛くなりにくいのも特徴です。