投資で毎月安定して数百万~数千万円の収益を出す人はどんな思考回路なのか。投資家メンタリストSai(サイ)氏は「例えば、つまらない内容の映画でもチケット代がもったいないからと見続ける人は投資家としてベストな選択ができない可能性があります。最も重要な投資家の資質は『躊躇なく損切りができること』であり、それができるかどうかで大きく成果は変わっていく」と指摘する——。

※本稿は、投資家メンタリストSai『自分のマインドを自在に操る超投資法 最新のメンタリズムで分かった「失敗しない」お金の増やし方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

赤いシートと空白の画面と映画館
写真=iStock.com/JurgaR
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「映画が面白いくない」時の対応でバレる、投資の上手な人下手な人

突然ですが、今からあるテストをします。

あなたは今、一人で映画を観に来ています。その映画の最初の15分が、とてもつまらないと感じたらどうしますか?

多くの人は、「せっかくチケットを買ったのだし、もったいないから最後まで観ていこう」となります。しかし、この「もったいない」と思う感情こそが投資家としては、とても危険な感情になるのです。

投資家としてのベストな選択は、映画がつまらないと感じたら、すぐに映画館から出ることです。

仮にチケット代が2000円程度だとしても、そのまま観続けたら、2~3時間もの時間を無駄にしてしまいます。ならば、すぐに映画館を出て、自分の趣味や勉強の時間に充てたほうがよほど有意義です。

このように回収できなくなってしまった費用のことを「サンクコスト(sunk cost)」といいます。そして、「せっかくお金を出してチケットを買ったのだから、最後まで観よう。もしかしたら、これから面白くなるかもしれない……」という心理で映画を観続けることを「サンクコストバイアス」と呼びます。

「損切り」が正しくできない投資家に成功者はいない

投資家としての重要な資質は、「躊躇なく損切りができること」です。

たしかに、チケットを先に買ったのにもかかわらず、途中で映画館を出るには勇気がいります。最初にお金を払っているので、途中で退出したら損をする感じがするからです。言い換えると、これはチケットの「損切り」でもあります。

100万円で買った株が50万円まで下がったときに、多くの人は塩漬けにしてしまいがちです。

塩漬け状態にすれば、「損はまだ確定していないので損失ではない」という人もいます。でも、確定するしないにかかわらず、既に50万円まで下落しているので、そのモノの価値は50万円なのはたしかなことです。

投資家たるもの、そこにしがみつくのではなく、費やしたコストに関係なく、価値のないものは損切りをしなければいけません。それよりも大事なものが何かを、もっと考えなければいけません。

ここで重要なのは「次はどうするか?」です。

変えられない過去を悔やんでも、どうしようもありません。投資家として大成していくためには、変えられないことと変えられることをしっかりと区別して、変えられることに注力していく必要があるのです。