クリスマスを無事に迎えれられるか
たしかに、欧州での感染再拡大は急だが、今回各国政府がロックダウンに踏み切ったのには、ひとつの目的があると言われている。
それはカトリック国も多いヨーロッパにおいてクリスマスはもっとも大切な年中行事であり、この時期に規制を緩めて家族や親戚との交流を自由にしたいという思惑があるからだ。
春のロックダウンでは「温かい言葉で国民を諭せるイケメン」と人気だったイタリアのコンテ首相だが、農業関係からは人手不足のための滞在許可証の緩和、美容院の組合からはロックダウン中の営業許可、さらには飲食店業界からの悲鳴も大きく、経済対策への不満は日に日に増している。
イタリア全土の一日の新型コロナによる死亡報告数は、11月26日に823人を記録するなど、原稿執筆時点ではピークアウトする兆しが見えない。一方で一日の新規報告感染者数は、11月13日に4万902人のピークをつけた後、徐々に減少傾向にある。
厳しい外出制限一方で、ミラノのドゥオモ(大教会)の広場には“例年通り“、名物となった巨大ツリーが登場した。クリスマスまでの残り3週間で事態がさらに悪化しないよう、イタリア人は期待半分、不安半分で、コロナ前と変わらぬクリスマスが過ごせるよう祈っている。