特別なことじゃなく、トータルでサステナブル活動を考える

✓ 手持ちのアンチ・サステナブルアイテムを捨てる

たとえばリアルファーのついたコートやエキゾチックレザーのバッグなど、サステナブルな目線では「知っていたら買わなかった」ものをすでに持っている場合、これを捨てる人が多い。けれど、動物や環境に配慮しないものを持たないという一方で、ものを大切に長く使うというのも大事な考え方だ。すでに持っているものに対しては、それが役目を終えるまで大切に使うこと。考えが変わるたびにものを捨てていては、それこそサステナブルからは遠ざかってしまう。

再利用可能なボトルから流れ出る水
写真=iStock.com/nito100
※写真はイメージです
✓ LGBTQを過剰に特別扱いする

誤解のないように言うと、これは「何に対しても一切の気を使う必要がない」という意味ではない。切り口を変えればすべての人がマイノリティーに分類される可能性があることを、私たちは知るべきなのだ。自分がもし多くの人の生き方と同じでなかった場合、腫れ物を扱うように接してほしいかというと、決してそうではないはず。いちいち何かに分類しなくても、一人ひとりが自由でなおかつ自分らしく生きていける権利を持っている。そのことを私たちは理解し、性別や世代ではなく、ただの人間同士としてコミュニケーションすべきなのだから。

✓ サステナブル啓蒙に躍起になる

正しい知識を広めようと周りの人に話したり、活動をするのは決して悪いことではない。けれど、自分の考え方がすべて正しいと相手に押しつけるような形になっていては言語道断! これは環境問題に真剣になればなるほど陥りやすい間違いだが、サステナブルなアクションは、一人ひとりがそれぞれのライフスタイルのなかで、長く続けることがもっとも大事。強制的に薦めるものではないのと同時に、他人へのリスペクトが大切なのだ。

✓ 一方向からサステナブルを実践する

飲料ボトルを例に挙げてみると、プラスチックボトルをやめ、ビンを使えば繰り返し使うことはできるかもしれないが、輸送の重量が跳ね上がることで、今度は燃料を多く消費してしまう。また、食器用スポンジを手製のアクリルタワシにしたところで、マイクロプラスチックが多く排出されてしまう素材ではさほどサステナビリティとはいえなかったりもする。大切なのは多方向からサステナブルについて考えてみること。私たち人間は、生活をしているだけで環境汚染につながる側面を持つがゆえに、トータルでエコになる方法を探るべきなのだ。

✓ 頑張りすぎる・無理をする

犬猫の保護活動に見られるように、一刻を争う殺処分の問題。誰もが今すぐどうにかしてあげたい、どうにかしなければという思いを抱いているが、無理をして保護するのはやはり危険。預かるのはあくまで大切ないのち。飼ってくれれば誰でもいいというわけではなく、この先時間もお金もかかる覚悟が必要だ。これは決して犬や猫を保護することを遠慮してほしいわけではなく、保護できる人は保護を、そしてできない人でもフードの寄付や施設の手伝いなど、今の自分にできることを精いっぱいやること。助けられる側も、そして自分も健やかな生活を営むのが、これからのサステナブルだ。

【関連記事】
イタリア高級靴の老舗がつくった「超サステナブル」なスニーカーとは
SDGsへの取り組み「若者の心に刺さる」ことに成功した企業はどこか
イマドキの若者たちが注目している「SDGs」の目標5つ
8割はアジアから出る「海洋プラゴミ」削減に貢献、髪にやさしい固形シャンプーとは
サステナブルの先駆者が語る「いま地球と社会のためにすべきたった1つのこと」