百貨店のあり方が今、明らかに変化している。それは、サステナビリティをどう取り入れられてるかという点だ。昨今の百貨店は顧客への対応はもちろんのこと、人や社会、環境、そして従業員すべてにサステナブルなことを実践していないと、魅力が半減するとも言われている――。
モールを歩く若い女性
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急速な変化が求められている百貨店業界

私たち消費者にとってこれまでの百貨店は、感度が高く、上質な品揃えで、いつでも欲しいものが手に入る場所だった。それは、ラグジュアリーという言葉がぴったりな空間。しかしながらその存在自体が今、大きく変化しているというのだ。正確に言うと、これまでの信頼度や高級感はそのままに、新たに“サステナブル”という視点が多方面で加わったことによって、百貨店に求められるもの、必要とされることも変わってきたと言えよう。

そこには昨今の人々の意識変革が大きく関係している。いまやサステナブルという言葉はトレンドから常識へと変わりつつあり、多くの人々が「ただ素敵なものを手に入れたい」というだけではなく、その「素敵なもの」の材料がどこで生まれ、どのような工程を経て手元に届いたのかまでを、きちんと考えるようになったからだ。

消費者の意識変化と伴走するように、ここ数年で各百貨店のコンセプトも大きくチェンジする流れが目立っているのだ。