今年9月、人気YouTuberのてんちむさんが謝罪に追い込まれた。豊胸手術の事実を隠して、バストアップ商材を宣伝していたからだ。最近、このようにネット有名人をめぐるトラブルが相次いでいる。ライターのトイアンナ氏は「インフルエンサーの多くは未成年で、社会経験が乏しい。一方、PR会社は雑に依頼をしてくる。その結果、トラブルになってしまう」という――。
インフルエンサーマーケティング
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倫理観のないPRが蔓延している

インフルエンサーなんて、なるものじゃない。と、つくづく思わされる。

私はマーケティング戦略を請け負う会社を経営する傍ら、自らもTwitterでフォロワー6万人を抱えているヘンな人だ。フォロワーが多いといっても、別にインフルエンサーというわけではない。私がTwitterでアホな発言をするから、野次馬が多いだけのことである。

しかし、ちまたには「インフルエンサーにPRを依頼する」会社があふれている。そしてフォロワー数だけを見て、辺境の私へも連絡が来る。私のTwitter受信箱は、こんなメッセージでいっぱいだ。

【芸能人の○○さんがイメージモデルの下着! PR案件のご依頼】

こんにちは! 本日は芸能人の○○さんがイメージモデルをつとめる下着のPR案件にてご連絡いたしました。

◇案件名:エクスクイジットパンツ
ジャンル:ショーツ
参考URL:https://xxxx.xxxx.xxx
報酬単価:5,000円

私は美ボディどころか、悩ましげな長州小力バディの持ち主である。高級パンツなんて履いたところで、腹肉にパンツが埋もれるわ。……と思いながら、そっとメッセージを消す毎日だ。

下品な話題はさておき、こういった依頼でしばしば気になるのは「PR表記の指定」がないものや、試供品が提供されないケースだ。