浅草から東武伊勢崎線に乗り、アサヒビールの金色の雲(?)のビルを右手に見ながら、隅田川を渡っていく。一つ目の業平橋駅にさしかかったとき、「あっ」と思わず声が出た。

京成橋から見た建設中の東京スカイツリー。11月10日、200mを超えた。

京成橋から見た建設中の東京スカイツリー。11月10日、200mを超えた。

「東京スカイツリー」。11月10日、その日はちょうど午前中に200mに到達した。来年夏頃には高さは350mに達し、2012年春に完成すれば634m、世界一になる。久しく世界一などという言葉も聞いてなかった気がする。

現在の高さの約3倍。どんな建造物になるのか、想像もつかない。東京の東部地区を活性化させたい、という願いがあると聞いたが、インパクトは十分といっていい。

実際、土日になると、タワーを一望できる場所に見物客が集まるという。

「京成橋というベストスポットでは、歩けないくらいの人だかりができます。4月に開設した『東京スカイツリーインフォプラザ』も6カ月で総来館者数が1万5000人を超えました。年配の方がけっこう多いですね」と予想以上の反響を喜ぶのは東武タワースカイツリー広報担当・今村義人氏である。

「完成時の経済効果は880億円と試算していますが、高さが100mを超えてからは関心が一気に高まってきたという感じです」と墨田区役所新タワー調整課課長・渡辺茂男氏も、今後はますます関心を呼ぶだろうとみて期待を寄せる。

タワーの近隣をすこし歩いてみた。下町情緒が残る町並みが広がる。遠くから見る建設中のタワーは映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に出てくる建設中の東京タワーのようだ。

タワーを見上げていたら、なんだか元気が出てきた。なかなかのパワースポットかもしれない。次は、300mの高さを超えたら来てみよう。

(撮影=内海準二)