スポーツの秋、と知りつつ今年も食欲の秋。いつか始めようと口で言うのみで実行できないのが運動だ。

だが、そんなお尻の重い読者に朗報。

ランニングCDのほか、写真のような、約500曲が収録でき、ランニング中の心拍数に応じて曲のピッチ数を自動的に上下してくれる商品も発売されている(ヤマハ「BODiBEAT」、深代教授監修)。

ランニングCDのほか、写真のような、約500曲が収録でき、ランニング中の心拍数に応じて曲のピッチ数を自動的に上下してくれる商品も発売されている(ヤマハ「BODiBEAT」、深代教授監修)。

ランニング専用のCDが続々と発売され、人気となっている。これを聴きながらだと、走るステップと呼吸と心拍のリズムが次第に同調してきて、エネルギー効率よく走れる、らしいのだ。

ランニング初心者に多いのは、走るペースがつかめず、力んで走り、ハーハー息切れして、三日坊主になること。

ところが、ビートが1分160回(1分間に160歩脚を動かす)のCDを聴きながら走ってみると、気持ちも軽やかに快適なランを継続できる。

こんな実験データがある。嫌いな曲で自分の走るピッチに合わない曲を聴きながらの場合と、好きな曲で自分の走るピッチに合う曲を聴きながらの場合を比較してみると……。

「後者のほうが、主観的運動強度で10%、快適度で20%向上します。同じスピードでも心理的にずっと楽になるんです」とは、東京大学大学院の深代千之教授(スポーツ科学)。

ランニングが無理なら、まずはウオーキング。それが続けば、いずれメタボともオサラバだ。しかも、こんな効能も期待できると、深代氏は言う。

「ギリシャの哲学者、ソクラテスは歩きながら講義をしました。そのほうが脳の血液の循環がよくなり、頭の中で物事を整理したり、いいアイデアが浮かぶことを知っていたのです。また、私の経験上でも、運動で体がほどよく疲れると、ぐっすり眠ることができる。それによって脳が一度“リセット”され、クリアな状態に。翌日の仕事や勉強の能率がぐんとアップします」

CD商品は、クラシックやジャズ、歌謡曲など種類豊富。深代教授は、井上陽水の「氷の世界」らしい。