「不況の時代に、よく食べられる料理は?」が酒席で話題になった。おにぎりやラーメン、ふりかけ(料理?)などという意見もあったが、カレーと焼きそばの争いで落ち着いた。
POSデータから売り上げの変化を調べているKSP-SP /ドゥ・ハウスのマーケットトレンドレポートに「食費の節約と焼きそばの利用に関する調査」というユニークなものがある。
リーマンショック以降の2008年9月から12月を、07年との同月比で比較してみると、平均10%は売り上げが伸びている。09年になっても1月などは同18%近くの伸びを示す。アンケートを見ても、焼きそばを「食費を節約するために作っている」と答えたのは55.2%。若い年代ほどこの傾向が強く、20代では74.8%を占めている。
「冷蔵庫に残っているソーセージや野菜など、家にある食材を使えるから」という理由も不況下を反映している。
ドゥ・ハウス広報担当・宮崎智子さんによると、「平日の昼食は主婦が一人で、休日の昼食は家族みんなで」ということらしい。
一方、カレーはといえば、インスタントカレーのルウの売れ行きをドゥ・ハウスでは同じように調べているが、焼きそばほどの顕著な変化はなかったという。
チルドタイプの焼きそばを30年以上発売している食品会社によると、「内食の定番として、カレー同様に焼きそばが定着してきました。不況下に強いかどうかはわかりませんが、今秋、夕食メニューとしてあんかけ風の焼きそばを発売します」とのこと。これを機会に焼きそばのポジションを夕食にも広げようということらしい。
家にある食材を使えるという点は共通しているが、ごはんを炊く手間が必要なカレーより、焼きそばに分があるということか。