やれやれ。今度は「LH比」らしい。腹囲、血圧などが基準を超えると認定される、メタボリック症候群。少しでも腹が出ていると家族や会社から「メタボ」のレッテルを貼られ肩身が狭いのに、新指標が登場した。
コレステロール値のいわゆる悪玉(LDL)と善玉(HDL)。通常、悪玉140以上、善玉40未満(単位はmg/dl:血液1dl当たりのmg)なら、どちらか一方でも脂質異常症と診断される。血管にたまったコレステロールがプラーク(塊)になり、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの引き金になる、といわれる。
これまではその基準を満たせば、問題なしだった。ところが、新指標ではそうはいかなくなった。「悪玉÷善玉」の数値が、2.0を超えると“警告”らしいのである。
例えば、悪玉135、善玉45といずれも「合格」なのに、この数式に当てはめると3.0。この「LH比」による新指標を提唱する東京医科歯科大学教授の吉田雅幸氏によれば、「2.5」以上は要注意で対策が必要となる。冠動脈疾患の経験がある人や、糖尿病・高血圧の人は1.5以下が目標値だという。「診察した印象から言えば、30~50代男性の半数近くはLH比が2.0を超えています。メタボの症状のある方はこの基準を超えるケースが多いですが、痩せ型の人でも基準を超えることは珍しくありません」(吉田氏)。
では、どんな対策をすればいいのか。投薬が必要になる人もいるが、基本はやはり有酸素運動。週3回、20分程度のウオーキングでよい。最寄り駅のひと駅前で降りて歩く。エスカレーターやエレベーターを使わない。といった工夫をすれば歩数も稼げる。とはいえ、日頃、営業成績などの数字に追われるビジネスマンにとっては、新指標は達成が難しい“ノルマ”に違いない!?