2019年のミス東大グランプリに輝いた上田彩瑛さえさんは、東京大学理科三類で学ぶ医師の卵でもある。なぜ東京大学の最難関学部を目指そうと思ったのか。上田さんは「中学受験をする際、大学院を目指して猛勉強する母の姿を見ていた。そのため勉強することに抵抗感がなかった」という——。

※本稿は、『プレジデントFamily2020秋号』の記事の一部を再編集したものです。

ミスコンも東大理三受験も「やってみたら?」の精神

——彩瑛さんは東大に入学したばかりの1年生(2019年)でミス東大コンテストにエントリーしたんですよね。出場した動機を教えてもらえますか。

上田彩瑛さん
上田彩瑛さん(撮影=市来朋久)

【彩瑛】高校の友達から勧められ、いろいろなことに挑戦してみたいという気持ちがあったので勢いで応募したんです。応募するだけと思っていたら、4カ月間SNSに投稿を続けなくちゃいけなくて戸惑いましたね。高3の1年間、合格祈願でSNS断ちをしてアプリすら入れていなかったから。

【母】出場すると聞いたときは、びっくりしたけど、「やりたいことはなんでもやってみたら?」と言いました。コンテストの本番はあまり緊張してなかったよね?

【彩瑛】舞台に上がってゆりやんレトリィバァさんの物まねやTWICEのダンスをしたけどもう無我夢中で。でも、やっていたら楽しくなってきて。後で動画を見たらかなり恥ずかしかった(笑)。

——東大理科三類は医学部のなかでも最難関。志望したきっかけは?

【彩瑛】もともと高1のときに医学部に行きたいと思ったんです。インフルエンザの予防接種を受けた後、倒れてしまって。自分の体の中で起こったことなのに原因がわからないのは不安だし、気持ち悪い。医学部に入れば、体の仕組みを学べると思ったのがきっかけです。

【母】予防接種で倒れたときそばにいたけれど、具合がよくなって最初に出た言葉が「しんどい」でなく「悔しい」だったよね。

【彩瑛】そうそう。悔しかった。私と同じように原因がわからない不調で不安になっている人の役に立てる医師になりたいな。

【母】理三を受験したいと言いだしたのも彩瑛だったよね。

いざ東大医学部へ「数学も学べるし、相対性理論も勉強できる」

【彩瑛】そうそう。東大理三を目指したのは「鉄緑会」(東大・京大・国公立大医学部受験指導専門塾)に通っていたことが大きかったかな。理三を目指している子が多くて、手の届かないところじゃないのかなと思うようになって。調べたら、東大は1、2年の前期課程で教養を学べる。私が大好きな数学も学び続けられるし、相対性理論も勉強できると思って。受験のときはいろいろと相談にのってもらったよね。

【母】実は、私、中高の英語教員なんです。長年、生徒に進路指導もしてきたので慣れているのに、自分の娘のことになると勝手が違って。生徒には「大丈夫。頑張れば巻き返せるよ!」と言って励ましてきたけれど、娘の進路では弱気になっちゃった。

【彩瑛】入試直前で本当に悩んだからね。高3最後の全国模試では判定がよくなくて。そこからセンター試験まで伸びを信じるかどうかで悩んだよね。

【母】最終的に決めたのは彩瑛だった。私は「じゃあ、それで行こう」って言って。

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