「私生活のための休業」ができる職場は、誰にとっても働きやすい

コロナ禍の影響で働き方が変化しつつあるとはいえ、仕事を私生活に優先させるべき、という同調圧力は日本ではまだ強い。社会的弱者である子どもの人権を軽視した虐待や性犯罪は、今も重大な社会問題だ。しかしだからこそ、父親産休を施行・普及することが、これらの問題を改善する糸口にもなりうるのではないだろうか?

父親産休を一般化するには、マネジメント層が「私生活のための休業」を前提に人員配置をする価値観とノウハウを確立する必要がある。それが可能な職場は、子育てをしていない人々にも働きやすい環境に違いない。大人が子どものために休業することが広まれば、子どもはそれだけ重要な存在なのだと、社会が受け入れるようになる。そしてその恩恵を受けるのは子どもたちだけではない。彼らを大切に考えられるなら、病気やけが、障害と生きる大人たちにも、より近しく心を寄せられるだろう。

私生活を犠牲にせず、弱者が受容される社会は、誰にとっても生きやすい。それを日本のやり方で実現する道は必ず、ある。諸外国の良いものを参考にしつつ、それを超えるクオリティーに作り替えて自国に普及させる応用力は、日本の御家芸だ。

社会をより暮らしやすくする、ポジティブな可能性を秘めた突破口として、是非、父親産休の制度化が成功してほしいと願う。

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