スピーチ下手日本人のための訓練その1

【スピーチの本を買ってこよう】

日本の書店の結婚式の棚に置いてあるスピーチの本はダメ。キング牧師とかチャーチルとか、英語ならスピーチを集めた本がたくさんある。ネットで探せば、タダで読める。目を通せば、スピーチがどんなものかわかる。

スピーチ下手日本人のための訓練その2

【ダメなスピーチを添削する】

ダメなスピーチの実例は、ウェブでいくらもみつかる。それをふつうの言い方に直す。

《緊急事態としての措置を講ずる以上、当然、経済活動への大きな影響は避けられません。もとより、今でも多くの中小・小規模事業者のみなさんが事業継続に大きな支障を生じておられます。世界経済だけでなく、日本経済が、今、正に戦後最大の危機に直面している、そう言っても過言ではありません。》

このスピーチの全体は、「新型コロナウイルス感染症に関する安倍内閣総理大臣記者会見-令和2年4月7日」(政府インターネットテレビ)でみることができる。

前後の文脈も踏まえ、余計なところを整理すると、この段落がいっているのは、要は

《中小企業の皆さんは、仕事が続けられないと困っています。》

である。ならば、そう言えばいい。これが添削だ。

緊急事態宣言「安倍首相の会見も半分に削れる」

添削の方針。お役所が使いがちな言い方(「措置を講ずる」「影響は避けられません」「危機に直面している」など)はやめる。言い訳やただし書きのたぐいの、枝葉も削る。ものごとの本質だけを取り出す。率直であることを、スピーチの基本にしてほしい。

プレジデントオンラインで以前、書いたように、この安倍首相の緊急事態宣言のスピーチは全部で約5600字あったが、私がムダな表現を省いて添削すると、半分に縮めることができた。

添削するには、原稿を書かなければならない。原稿を書くには、木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書)を参考にするとよい。